配役
今日はメンバー個々の総合的な個人的感想など。
『女優』高橋愛でした。
これまでは怒りも哀しみも憎しみも、アイドルというペルソナの下に隠さなければならなかったのに。
一夏の間に大勢の観客の前に、それら全て出し尽くさなければならなかった。
モーニング娘。の本業は歌手だけれど、この子はこの道でもいいんじゃないかな。
歌手だけでは愛ちゃんの魅力全ては発揮できないかもしれない…
でも女優としてのスキルを得た事でその魅力は∞にもなった。
『女優』高橋愛、覚醒。
吉澤ひとみ:大臣
リーダーとしての貫禄十分。「カッケー」の一言に尽きる。
役割は悪役だけど、決して憎くてたまらない悪役じゃない。愛すべき悪役?
「悪には悪の美学がある。」そんな感じです。
ミキティとのコラボ。何度聴いても鳥肌が立ち、会場全体の空気にビリビリと伝わりました。
小川麻琴:家臣ナイロン
真面目?な配役だよね?
本人のもつ個性の為か、周りの二人のせいか…orz
でもそれがいい方向に作用した。これは演出家・脚本家のキャスティングに脱帽。
こうすれば小川麻琴は化けられる、という例をみせてくれた。
木村さんの眼力の強さに尽きる。
マコをこんこんと一緒に卒業させなかった意味がよくわかる気がするよ…
藤本美貴:魔女ヘケート
通称ヘケティ
その歌唱力は娘。の中でもズバ抜けている。
そして出番は少なめながらその大きすぎる存在感!
彼女の劇中家のあとは空気に余韻が残る程。
そして素の演技(爆)
格が違いますわ…美貴様。
新垣里沙:淑女/騎士ヌーヴォー
亀井絵里:淑女/騎士トルテュ
淑女役としては普段通りの二人で親しみやすかった。
…が!フランツの同志の騎士役としては、何故この二人を一緒に組ませた!?
加えて石川さんじゃ、勝てる戦も勝てなくなる(爆)
例え10万の軍勢でも、長坂橋で張飛が曹操軍を一括で追い払った如く、退ける事は容易い(爆)
まぁさゆとれいなのどちらかだったとしても、結局同じだけどね(苦笑)
あくまでネタ上で、演技上ではそんな事もなくプロの二人でした。
しかも今まで聴いた事のないくらいの熱唱!
秋ツアーではソロも十分任せられます。
道重さゆみ:淑女/リュー
田中れいな:淑女/リジィエ
先の二人と同じく淑女役は等身大のままの二人。
個人的にはスカウト役には必要性がなかったと思う。
この二人にも他に役を与えとこう、的な考えの設定。
最後まで役の設定が男か女かわからなかったし(笑)
ある意味第二のサファイアだな(笑)
でもれいなはやっぱり可愛かったけど♪
久住小春:大臣の息子
良くも悪くも能天気。
緊張感がない(笑)
役を演じるというより、久住小春を演じていた印象。
しかし初めてのミュージカルで臆する事もなく、あれだけ堂々とした演技が出来るのは、まさにミラクルが為せる業だな。
石川梨華:フランツ王子
熱血感の王子。
石川梨華とまるで逆、180度方向転換した配役。
劇中歌では持ち前の高音を押さえ、男性特有の低音質で歌う難しい状況。
不安要素ばかりなのに、まるで違和感がなかった。
安倍なつみ、松浦亜弥のフランツ王子も個性があったのかもしれない。
それは観る人によって受ける印象が違うだろう。
それでも自分は、やはりフランツ王子は石川梨華以外には考えられない…
三好絵梨香:淑女/ピエール/トロワ/近衛兵
岡田唯:淑女/コリン/近衛兵
この二人が何故美勇伝に選ばれたのか?
答えはこのミュージカルを観ろ。納得できるはず。
目立ちさえしないが実力は高い高い。この二人は最強コンビだね。
第2部冒頭の、牢屋の場面で何度泣きそうになった事か…
「秘密を守るために、たくさん殺したんだろう!」
「俺の家族の事はどうだっていい!」
「なら、何故そう言ってくれない…」
「俺に隠れてか…?」
一つ、一つの台詞にグッとくるモノがある。
もしヌーヴォーとトルテュがこの二人で、リカンツ王子と共に攻め込まれたら…
シルバーランドは美勇軍により簡単に陥落してただろうな(苦笑)
辻希美:牢番ピエール
自分の中では三好さんのピエールが強すぎて、どうしても見劣りしてしまう。
それでも松葉杖で演じる姿にはウルっとさせられた。
いつもはムードメーカー的な役割が多いのんちゃんだけど、シリアスな演技もイケる事がわかりました。
この二人の公演は観てませんので評は下せません。
箙かおる:王/神様
声量が違いすぎです。さすが宝塚だね。
ってか「箙」って字、ウチのPCじゃ変換できません(苦笑)
マルシア:王妃
猪俣公章の秘蔵っ子だけあります。舞台の場数を踏んでるだけありレベルが違う。
以上です。
まー、誰もが抱いた、同じような感想だと思います。
似たり寄ったりで申し訳ないくらい(汗)
最後に
この作品って、わりとありがちな「永遠の命を求め、争う。」ってお約束な物語じゃなかった。
劇中歌にもあるように『人間になり愛する人と生き、共に滅びる」事が根底にある。
それは手塚先生の作品の言葉で言えば
『人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましい』
って事なんだろうな…